漢國神社

漢國神社は、奈良市漢国町に鎮座。
式内社 大和國添上郡「狹岡神社八座」の論社となっているようだ。

 「漢国神社」というと、中国からの渡来の神様がお祀りされているような印象を受ける。けれども、この神社の由緒は古く、推古天皇の元年(592)勅命により、大神君白堤が大物主命を、その後、元正天皇養老元年(717)、藤原不比等大己貴命少彦名命を合祀されたという。大物主は大国主命の和御魂、大己貴は荒恩魂であるから、御祭神は、天孫降臨の前に、協力して国を治め、呪術、医薬等を教えて人々を慈しまれた三輪系の国津神(地主神)である。

 漢国神社の境内に、林神社という、日本で初めて饅頭を売り出した林浄因をお祀りしたお社がある。奈良が饅頭の発祥の地であるというと、つい、聖武天皇光明皇后も饅頭を召し上がっていたような連想をしてしまうが、中国の饅頭はともかく、餡の入った和菓子の元祖ともいえる饅頭は、1350年に元から帰国した龍山徳見禅師に伴われて来日した林浄因の工夫によるものと伝えられる。

境内にあった「奈良町回顧録」より

鳥居

神門

社殿


以下、境内社など





八王子社

葵神社

林神社