東向観音寺

東向観音寺は、京都市上京区観音寺門前町にある寺院。
北野天満宮のすぐ近く(参道から見える)。

洛陽三十三所観音霊場の第三十一番札所。
当初、東西両向きの二堂があったが、西向堂は早くに廃絶し、東向堂のみが残ったとか。

 観音寺は元は北野社の神宮寺であったが、十四世紀中頃に無人如導が中興して律宗となり、その後十七世紀になって豊臣氏が北野社を復興した際に当寺も整備されたと伝える。現在は真言宗泉涌寺派に属している。
 当寺の本堂と礼堂は、造合でつながれた複合形式の建物である。十七世紀前期に本堂が建てられ、元禄七年(1694)に礼堂と造合が本堂正面に増築された。
 本堂は、丸柱上の組物を出組とする方三間の本格的な構造形式の仏堂である。一方参拝空間である礼堂は、角柱に舟肘木をのせる簡素な形式になっており、仏の空間である本堂とは明確に建築手法を変えている。また礼堂正面の向拝は柱上に大斗を据えず、絵様肘木を柱頂部に落とし込む珍しい手法をとっている。
 当寺の本堂・礼堂はそれぞれ十七世紀前期および元禄期の建築様式をよくとどめている質の高い建物である。

「立て看板より」

山門

本堂

岩雲弁財天

行者堂 役行者と関係があるのだろうか?