久米寺

霊禅山 久米寺は、奈良県橿原市久米町にある寺院。
仏塔古寺十八尊、西国四十九薬師などの札所です。

当寺は推古天皇の勅願により用明天皇の皇子聖徳太子の御弟君にまします来目皇子の御建立された寺院であります。
皇子が七才の御時、眼病を患い給いしとき、御兄君聖徳太子のおすすめで、ここにおいて衆病悉除の薬師如来の願力を頼み、三十七日丹精無二の祈願を成し、二十一日満願の暁き、不思議なるかな二十五菩薩と御供に一寸八分閻浮陀金の薬師瑠璃光如来天より皇子の左の御手に御降臨あらせられ、皇子の両眼は如来大慈光明に照らし給ひ、両眼忽ちに平癒あらせられ故に皇子自ら吾は来目皇子と称し、金堂講堂鐘楼経蔵大門五重塔等造営ありて伽藍となし、皇子の御名を取りて来目の精舎と来目皇子七堂伽藍創立以前に武人の始祖大久米部之命の末孫等久米部の氏寺として、小寺院建立ありたり。即ち久米寺と称し、その後養老二年印度摩伽陀国善無畏三蔵は十善帝王の位を捨て、遠く天竺より我朝に来り当寺に寄留して日本最初の多宝大塔を建立し、三粒の佛舎利と大日経とを塔柱に納め給う。
大日二年十一月八日弘法大師は諸大弟子と宝塔内において経王を講讃し、はじめて真言密教宣布し給う。
真言宗を日域に弘め給う密教弘演の根本傅燈の聖地である。後に久米寺と改称せられる。

「境内案内」より

山門

本堂

多宝塔